2023年10月号
家のまわりではほとんど稲刈りが終わり秋になったなと感じます。
月のはじめは半袖で歩けた山ももう上着が必要です。近くの鳳凰三山では朝霜が降り氷がはったという
日もあったそうです。高い山はいよいよ冬ですね。
1、櫛形山の山や花の様子
9月になって登山者がまた戻ってこられました。二回点検に登ったのですがいずれも朝の8時に池の茶屋の駐車場は
満杯でした。また富士山や雲海をとりに来られる方も多くなって朝車で登っていくのは少し大変です。
秋といえば紅葉ですが、櫛形山は伊奈ヶ湖の紅葉が有名です。尾根道周辺ではカラマツが紅葉して黄色くなる光景が
見られます。アヤメ平らではもうカラマツも散り始めていたので見たい方は早めにおでかけください。
10月は冠雪した富士山や南アルプスを見るのが楽しみです。冬の山のレポートでかなりみるようになってきた桜峠の南アルプス展望所や裸山、トレッキングルートの北岳展望台で南アルプスを楽しむことができます。実は結構落葉がすすむと意外なところから南アルプスが見えたりします。それもまた楽しいです。
2、会の活動
富士川町と一緒に池の茶屋口から上にある桜峠に2019年から保護柵を設置しはじめました。少しづつ毎年延長してきてもうすぐ奥仙重に届くところまできました。奥仙重には県が設置した柵がありますので来年にはそこにつなぎこむ予定です。今年は9月に柵をはるルートの障害物除去を行い、今月の7日土曜日に設置する予定です。今 お手伝いいただける方を広く募集しています。
それが終わるとお花畑の整備など12月はじめまで忙しい時期が続きます。来年の花を楽しみに汗を流す日々です。
南アルプス市が今年度から開始した櫛形山の原生林保護ですが7月にアヤメ平入口の柵の拡張(我々もお手伝いしました)に続き、今度は日本一のカラマツの周辺を囲います。こちらは業者の方でやられるとのことですがどんな感じになるのか楽しみです。
3、マメ知識
今月はシカとカモシカです。
ご存知の方も多いと思いますが鹿はシカ科、カモシカはウシ科でヤギとかウシのお仲間で違う種類です。ただ山の花を食べるという点では同じですが、櫛形山のような亜高山帯には昔からいたカモシカに対して、温暖化であとから侵入してきたシカという構図になります。櫛形山を歩いているとシカの甲高い警戒の声を聞くことがあり遠くを走り去っていく姿をよく見ることがあります。カモシカはというと我々が下山している前でのんびり草を食べていてあまり逃げないのでこちらがどうすればいいか戸惑ったことも何度かありました。
植生にも大きな違いがあります。原生林の保護のきっかけとなった「樹皮剥ぎ」をするのはシカだけですし、カモシカと違って群れで生息しているので一気に草を食べてしまいます。これまでの経緯から考えるとのんびりカモシカが花などに囲まれた山で暮らしていたところに最近鹿が群れでやってきてどんどん花や草を食べられ、住むところを奪われてきている感じですね。可哀想に、、、
ちなみにカモシカは国の特別天然記念物です。シカと間違えていじめないでくださいね。
では山でお会いしましょう。