南アルプスユネスコエコパーク講座で活動報告をしました

2016年02月08日

2016年2月7日に開催された南アルプスユネスコエコパーク講座で
「櫛形山を愛する会」の事務局の依田が、活動報告のプレゼンテーションを行いました。
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■当日使用したプレゼンテーション資料

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slide_2 「櫛形山を愛する会」は、私が旧増穂町、現在の富士川町役場に在籍しておりました。
平成7年頃から有志数名で郷土の山櫛形山を地域の人や町の人たちに、身近な山として親しんでほしいと願い、会の発足準備を進め、翌年の平成8年8月、約30名で発足しました。
slide_3 発足当時は、1年を通して櫛形山の草花を観察することを主な目的として活動を始めました。
5月のゴールデンウイークに咲くカタクリやスミレ、6月のタケシマラン、イチヨウラン、7月のアヤメ、ミヤマキンポーゲ、8月のシモツケソウ、タムラソウなど、季節の草花の観賞登山会と10月の紅葉登山会など、年間4~5回の登山会を通して、まず自分たち会員が相互に親睦を深めながら、櫛形山を楽しむ事から始めました。そして何回か登山会を重ね、櫛形山の自然環境や、登山道の状況を理解する中で、櫛形山を訪れる登山者に安全快適に、登山を楽しんで頂くための活動を始めることになりました。
slide_4 まず、最初に平成10年7月には登山口までの県道及び林道に、案内標識の設置作業を行いました。
また、平成21年7月には老朽化した案内標識の更新取替作業を行いました。
slide_5 次に登山道の整備活動として、平成13年12月に県有林のカラマツの伐採許可を頂きカラマツ材で、池の茶屋登山道の勾配がきつい部分に、階段の設置作業を行いました。
また、それに合わせ富士山や南アルプスの北岳や間ノ岳等の眺望の良い場所にベンチの設置作業も併せて行いました。
なお、平成23年7月には階段等の補修整備作業を行いました。
slide_6 次に、櫛形山の一番の魅力であるアヤメをはじめ数々のきれいな山野草を、一人でも多くの人達に知って頂きたいと「櫛形山の花の写真展」を平成9年4月から計4回にわたり山梨中央銀行青柳支店、小笠原支店、青柳活性館等で開催してまいりました。

次に、私たち「櫛形山を愛する会」が自慢のできる活動の一つは、「櫛形山の花の写真集」を発刊したことです。
植物学者や写真家等の専門家が一人もいない、素人集団でありましたので大変でした。

まず、プロの写真家を招いて、花をきれいに撮影するための写真撮影講習会の開催や、櫛形山の花に詳しい講師をお招きし「櫛形山の花」の勉強会等を開催しました。

slide_7 平成15年から平成19年3月まで約4年間をかけて、会員それぞれが頻繁に櫛形山に登り、花等の写真をリバーサルヒィルムで
約60本1400枚を撮りました。
延47回の編集会議を経て「花かおる櫛形山」の写真集を
平成19年4月28日に発刊することができました。この「花かおる櫛形山」の写真集の編集作業を通して、会員みずからが仲間とともに植物図鑑などを調べ、これまで見たことの無い草花の名前を探しあてた時の感激を会員同士で喜び分かちあった事は、会員同士の友情や絆を強める良い機会になりました。この写真集には、櫛形山の概要や登山道案内、山野草等194種が掲載されています。このような写真集が発刊出来た時の喜びは、ひとしおのものがありました。
写真集は2000冊印刷され、そのうち1000冊は旧増穂町や旧櫛形町内の各小中学校や町立図書館等に寄贈しました。
また、県立図書館や文学館等にも寄贈しました。
また、会員の皆様が、友人や知人等に配布しました。残りの1000冊は、町内外の図書店等で販売されました。
slide_8 くしくも、この写真集が発刊された頃からにわかに、鹿の食害によりアヤメの花を始め多くの貴重な草花が、次々に姿を消してまいりました。
後になっての話ですが、あの時にこの「花かおる櫛形山」の写真集を作っておいて良かったなーと、会員同士で話しております。
鹿除けネット柵設置により少しずつ回復し、戻って来た花も多くありますが、まだまだ戻って来ない草花も数多くあります。
slide_9 次に櫛形山に関わるそれぞれの団体が、ばらばらに活動をしていることから平成21年5月、お互いに情報を交換し効率的でより良い活動にしようと「櫛形山ネットワーク」を結成しました。

我々櫛形山を愛する会、芦安ファンクラブ、森林科学館、南アルプス市、及び富士川町の各行政担当者等で組織されました。

slide_10 その甲斐あって、平成22年11月3日に山岳情報誌の「山と渓谷社」が主催する日本山岳遺産基金から櫛形山が「日本山岳遺産」に第1号として認定されました。
そして、その支援を頂き櫛形山フラワートレッキンギや櫛形山シンポジウムの開催、櫛形山ネイチャーブックの発刊など、有益な活動をすることができました。
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次に、平成21年10月にまず最初に、アヤメ平上部の平坦な所に、南アルプス市の行政と民間組織「櫛形山ネットワーク」の共同活動により、鹿除けネット柵が設置されました。

以後、これまで5回に及ぶ設置作業により総延長約2800m、総面積約87,500㎡が整備されました。

slide_13 そして、この設置された鹿除けネット柵の機能が適正に維持管理できるよう、平成25年6月より原則的に月2回のペースで我々「櫛形山を愛する会」が点検作業を行っています。
平成25年度は延12回、延79名が、26年度は延15回、延92名が、27年度は延12回、延83名が参加し点検作業を行っています。
slide_14 普段の点検作業は支柱にネットを固定する結束バンドの補強や、ネット柵にかかる倒木等の除去等が主な作業であります。
slide_15 特に記憶に残る作業としましては、平成26年2月に記録的な1m50㎝以上の大雪がありました。
その雪の重みや雪崩により、数十本の支柱が折れてしまいました。
4月下旬のまだ雪が残る中での支柱の仮復旧作業や取替作業は大変なものになりました。
slide_16 そんな苦労の結果、ネット柵内にはアヤメを始め貴重な山野草が数多く戻って来ています。
このことは、行政と民間団体の協力による、より良い関係が生まれたもので、真に南アルプスユネスコエコパークの理念を目指すものだと思います。また、このほかの活動としましては、南アルプス市や富士川町が主催する、櫛形山登山会等のイベントのお手伝いや登山道のゴミ拾い、倒木の除去作業を日常的に行っています。
そして、これらの活動の成果として最近は、県内外から櫛形山を訪れる登山者が、多く見られるようになりました。
slide_17 次に、活動報告の最後になりますが、平成27年4月には、櫛形山の情報を日本中の皆さんにお伝えしようと、櫛形山を愛する会のホームページ「櫛形山の自然」を立ち上げました。

櫛形山の最新情報や我々櫛形山を愛する会の活動の様子をダイレクトにお伝えしています。
機会がありましたら、是非ご覧ください。
そして、ご意見等お気付きの点がありましたら、ホームページから投稿して頂きたいとおもいます。

以上が櫛形山を愛する会のこれまで約20年間、歩んで参りました主な活動内容です。
これまで、このように活動が続けられたことは、会員一人ひとりの櫛形山を愛する心が一つになって、ここまで歩んで来ることが出来たものと、会員の皆様に感謝しています。
また、長い間ご指導を頂いた行政担当者の皆様の協力にも大変感謝しています。ありがとうございました。

slide_18 なお、現在「櫛形山を愛する会」の会員数は約80名程ですが、発足から20年経過しています。
このことから、私を含め会員の高齢化が進みつつあります。
このままでは、将来に渡ってこれまでの活動を、継続発展させることは困難になります。こうした状況の中で、最近若い会員の方もわずかに入会して頂いておりますが、まだまだ若い皆さんの会員が不足している状況です。
皆さんの知り合いの方で、櫛形山に関心のある方がおりましたら、是非ともご紹介下さい。
ホームページからも入会申込も出来ますのでよろしくお願いいたします。
櫛形山を愛する会の活動の報告は以上です。

 

コメント1件

  • ToshioAriizumi | 2016.02.09 10:16

    「櫛形山を愛する会」の活動報告、ありがとうございました。
    私も途中から入会させていただきましたので、会の発足当時からの流れがよくわかります。
     会の活動をまとめていただくと、櫛形山のために本当に様々な活動をしてきたんだなーと改めて思います。
     これからも頑張りましょう。

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