2023年8月号

2023年08月01日
みなさん  こんにちは。

梅雨明けして一気に暑くなりましたね。
あちこち夏山に行きますが今年はどこも登山者がいっぱいで山に活気が戻って来た気がします。

1、櫛形山の山や花の様子
おかげさまで多くの登山者でにぎわっています。7月は平日でも駐車場がいっぱいになっていました。

アヤメが終わり、櫛形山も本格的な夏の花の盛りを迎えています。ピンクのシモツケソウ、青色のクガイソウやマツムシソウ、黄色のマルバダケブキ そこにいろいろな花が咲いています。桜峠、裸山、アヤメ平とそれぞれ少し違った花が咲いていて楽しむことができます。花のいい時期なので各場所の歴史や花についてお伝えします。

桜峠
2019年の夏に保護柵を設置しはじめた場所です。年々少しづつですが奥仙重に向けて柵を拡張しています。奥仙重には県の方で設置された保護柵ができましたがゆくゆくはそこまで拡張し昔のように登山道沿いにずっと花が咲いているようになればと思っています。今年の拡張は10月の予定でそれまでに少しづつ資材を会員の手で運び上げていきます。
桜峠は昔シモツケソウのピンク色でおおわれていたことから桜峠と名付けられたそうです。2019年に保護したところからシモツケソウがどんどん大きくなって花を咲かせてきています。当時咲いていたといわれるオオバギボウシやアヤメも戻ってきました。黄色のキンレイカ、かっこいいアオスズラン、エゾカワラナデシコなども彩りを添えています。
ぜひ訪れて下から桜峠を見上げて自然の力強さを感じてください。

裸山
この山のアヤメが壊滅的になったとき最初に保護柵を設置したのがここです。アヤメの生息調査や増やすための草刈りなどが行われている場所です。そのせいでずいぶんとアヤメが復活しました。夏はシモツケソウ、ハンゴンソウ、カラマツソウ、キリンソウ、ヤナギランなども咲いていて色とりどりです。そしてタムラソウやマツムシソウに色変化してくのも楽しいです。

アヤメ平
昔は腰まで植物が茂り、貴重だといわれるランもいろんな種類があってすばらしかったと聞いています。昔に比べて随分と木が大きくなり日陰が増えたせいか、日向に咲くクガイソウやシモツケソウに加えてコウモリソウなども咲いていて種類の豊富なのがアヤメ平らです。避難小屋から北尾根登山道に向かう道などは腰くらいまで花が咲いています。ゆっくり木道を歩きながら花を楽しむのがいい場所です。

これ以外に池の茶屋の保護柵があります。これからはサラシナショウマが綺麗です。池の茶屋登山口からすぐのところの保護柵ですが、実は管理歩道に向かう右側の柵内にもこの時期は尾根筋ではあまり出会わない花が咲いていて楽しめます。

2,000mの尾根筋ですが真夏はさすがに日向は暑いです。朝早くから水分を十分持ってお越しください。

2、マメ知識
今月はちょっとマニアックな地質のお話です。
実は花を探しにでかけているとここの山の花は以前歩いた山の花たちとよく似てるなと感じることがあります。逆に同じ山梨なので全然違うなとか、似たような場所なのにあの花はなぜないんだろうとも感じます。もっとお詳しい方になればここは石灰岩がある場所だからこんな花が咲いているはずだと推測されるとか、奥深いですね。
それを理解するためのポイントの1つが地質です。ブラタモリを見られている方はよくおわかりと思いますが山梨県の多くは糸魚川静岡構造線(糸静線)の右側にあってフォッサマグマ地域にあたります。そのせいか山によって地質区がいろんな種類があっていろんな花が咲いています。我が櫛形山は南アルプスの前衛の山ですが、南アルプスの山々は糸静線の左側ので古くからの地層の四万十帯で櫛形山とは全く違う地質です。櫛形山は海底火山が隆起した地層で巨摩群層と呼ばれるところで御坂の山々と同じです。両方とも花の種類が多いという共通点はそういうことだったわけです。山梨県の他の山のち質を調べてみるといろいろわかって楽しいです。

前にも書きましたが夏の花を楽しむにはほんとうにいい時期です。ぜひ一度お越しください。

では山でお会いしましょう。

Copyright(c) 2015 KUSHIGATAYAMA wo aisuru kai All Rights Reserved.